駆け足は自衛隊の仕事

自衛隊では走ること、ランニングなどを総称して駆け足と呼ぶ。

駆け足は陸上自衛隊三戦技といい、射撃・銃剣道・駆け足の一つになっている。

自衛隊の駆け足は集団で行う。だいたい規模としては30人くらい。一区隊単位で走る。
なので、足の速いものから遅いもの、歩くところから始めたほうがいいんじゃない?というもの様々である。

そして、30人でそろって走るので、それほど速く走る必要はない。
一キロ6分で走る体力があればついていけるだろう。
教官によっては気分によって一キロ4分台ペースで飛ばす人もいるが、そのスピードでは脱落する人が出てくる。

入隊初期ではそのように飛ばすことはないので、徐々に体力を付けていけばついていけないこともない。

ぼくの班員の斎藤は全然駆け足についていけなかった。
運動が大のきらいだったのだろう。
ぼくは班長に斎藤と一緒に課業後(自衛隊では仕事終わり)に一緒に駆け足をしてくれるように頼まれたので、いつも誘ってはいたのだが、本人には全くそのやる気を感じられなかった。
携帯ゲームの方が楽しみだったのだろう。
そんな斎藤を無理やり駆け足に連れ出すのが僕に与えられた任務だったので仕方なく誘っていた。

ただ斎藤は何をやるにも少しのろいところがあり、
「アイロンがけが終わっていない、靴磨きが終わっていない」
と何かと理由を付けては駆け足を拒んだ。

だいたいいつも田中が一緒に走ることになっていた。

自衛隊にはいろんな奴が来る。斎藤のように体力のなさを自分の努力で補うことすらめんどくさいのもいる。
それでも給料は同じく発生するので、なんとも腹の立つ話だ。